クリック&モルタル企業においては、実現し、顧客のマインドへのブランドの定着を図るという方法が有効であることは先に述べたとおりですが、顧客に、他ブランドでなく自社ブランドを選ばせるためには、当然のことながらブランドとしての差別性が明確であることが前提となります。この差別性については、これまでにもいろいろな角度から触れてきましたが、ブランド論からいえば、ブランドの差別性の源泉をはっきりと定義し、社内で共有化するというのがブランド戦略上で最も重要なプロセスであり、ブランドマネジメントの出発点はブランドの差別性の源泉、すなわちブランドアイデンティティを見極めることにあります。ブランドの中核を支える、ブランドアイデンティティとは、よほどのことがない限り変わらず企業が守り続けるものであり、企業が経営環境の変化に合わせて構築する戦略と連動して変わってしまうようなものであってはなりません。具体的には以下の要件を満たすものであることが必要と考えられます。顧客に対する約束(すなわち何らかの顧客のニーズに応えるもの)であること。そのブランドが提供する価値の中身を示すものであること。普遍的特質を持っていること。そのブランドの差別性の源泉を表すものであること。フォーカス(訴求ポイント)が明確であること。要するに、ブランドアイデンティティというのは単なるマーケティング上のうたい文句とは異なり、その企業の拠って立つ基盤となるべき基軸なのです。