バブル崩壊以降、長期雇用という暗黙の前提が事実上、崩れたことで、こうした知識・技能の継承方法は実行が難しくなっている。働く側は「長くいるのだから、とりあえずは我慢して言うことを聞こう」と考えていたのだし、雇用する側も「長くいるのだから、じっくり全部教えて育ててやろう」と思っていたのに、その両方からの引力が消滅してしまった。働く側は「この会社にいる間に早く教えてくれ」と焦り、雇用する側は「数年しかいない人間にどうやって教えるのか」と嘆く。
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お互いが社会環境や意識の変化を的確に認識できず、どうしたらいいのかわからずに「ないものねだり」をしている。それが現実である。こういう状況の中で、バブル崩壊後、企業は採用を抑えたために、部下がつかずに独力で仕事をする社員が急増しているせいもあり、企業の人材育成力は近年、急速に低下している。まさに「育成力右肩下がりの時代」である。さらに問題なのは、現在の経営者やマネジメント層にこの事実をしっかりと認識している人が非常に少ないことである。