結婚シーズンの式場は大安吉日となると、まるで戦場のような大騒ぎになります。そんなに混雑しても、大安吉日は半年前から予約がいっぱい。なぜ、こんなに大安吉日に殺到するのでしょうか。大安というのは暦の六輝のうちの吉日のひとつで、そのほか結婚には先勝、友引か吉日、仏滅、赤口、先負が凶日とされています。この六輝というのは、日本では旧暦元日を先勝、二月一日を友引、三月一日を先負ときめ、幸福に暮らせるかというと、そんな保証はどこにもありません。一九六六年秋の大安吉日の日曜日に挙式した数組の新夫婦は新婚旅行の途中、乗っていた全日空機が松山沖に墜落して全員死亡という悲しい事実はそれを物語っています。それにもかかわらず、若い人たちが結婚式の日を選んだ理由を調査したら。日曜日三三%大安吉日二六%で、やはり「結婚式は大安吉日に」という思想が依然として根をおろしていることが示されています。これは、自信の欠如とともに、世間並みの挙式にしたがいやすい今日の若い人の心理のあらわれともいえましょう。しかし、なかには勇敢なカップルもいます。「私たちは最低とされている仏滅の日を新しい人生のスタートにしたのだから、これからはただ上昇以外にないと信じています。だからむしろ縁起のいい日に挙式したと喜んでいるくらいです」こうした合理的な精神の持主たちのために、ある結婚式場では「仏滅マリッジ」と称して仏滅の日に挙式・披露宴をするカップルにはとくに披露宴の飲食料金二〇%割引という特典を打ち出しています。