通常のキャンペーンは一シーズンで終了するが、このレディ80キャンペーンは昭和五四年一月一五日にレディ80宣言を行い、「80年代に羽ばたく新しい女性像を求めます」としてスタート、翌五五年四月一五日までの一五ヵ月間のロングランキャンペーンであった。しかもレディブランドのキャンペーンとしては、五六年ミュージカル『エビータ』と連動したレディ80エビータ、五九年春レディ80、バイオリップスティック、六一年春レディ80「感度BIOカラーネットワーク」まで長期間にわたり継承されていく。第三は地域住民、消費者参加型のイベントである。五四年三月二日から全国のカネボウ地区販社にてレディ80の募集が開始された。レディ80の条件は、健康的な美しさ、ゆたかなファッションセンス、人間としての普遍的な魅力であるやさしさ、知性とセンスを兼備した国際感覚、ゆたかな教養でささえられる社会感覚の五つの条件を兼ね備えた女性であることが求められた。募集開始から約一ヵ月、全国各地から二万五七〇四人の応募があった。最終的に地区代表六五名が選出され、そして最終の全国大会が五四年九月二九日東京厚生年金会館にて行われ、地区代表のなかからレディ80松原千明(京都地区代表、当時二一歳)がデビューすることになる。レディ80に選出された松原千明はテレビ、雑誌、新聞などのキャンペーンポスターのイメージガールとして登場、さらに地区レディ80の六四名もポスターに登場し地元の化粧品店店頭を飾るようになった。レディ80募集から決定、そしてその後のキャンペーンポスターでの登場に至るまで、一貫して地域住民を巻き込んだ消費者参加型のイベントとして斬新なキャンペーンであった。第四はこのキャンペーンが商品とイメージガール、キャンペーンテーマがそれぞれ冠となって連動していることである。商品面では五四年秋レディ80のスキンケアブランドの発売、五五年春メーキャップブランドの発売など商品ブランドとレディ80のイメージガールが連動し、レディ80キャンペーンのサブタイトルを「きみは薔薇より美しい」(五四年春)、「唇よ、熱く君を語れ」(五五年春)としてバックアップしている。
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